というわけでDS感想ですが―
正直なところ面白いんだか面白くないんだか良くわかんない
―早い話、微妙な作品と言ったところでした。
てっきり本編で省略されていた話や設定に触れて、
広げた風呂敷をたたみにくるのかと思ってたら
逆に更に広げてしまいその上たたまなかった感じです。
なんというか、作りが粗いなーと。
本編が長かったので
スピーディーに終わらせようとしたのかもしれませんが、
状況把握もままならないまま説明もなく未見の情報がバンバン出て来て
あの世界から突き放されてしまったというのがプレイした時の印象です。
(おまけに日付にもかなり間違いがありましたし)
本編が長く感じたのは次の選択肢へ飛ぶ機能が無かったことが
原因だったのでこういう説明を省略して
文章量を減らすってのは完全アウト。
本編の続きをそのまま描いたのかもしれませんが
1年経ってたら忘れてますし、
ルートも9個あったわけで(4つに分かれるTRUEENDを1ルートとカウント)
そこらへんの簡単なおさらいもなく
物語を展開されてしまい面食らってしまいました。
Hシーンへの突入の仕方も唐突過ぎて盛り上がりに欠けましたし
オーガストの好きな点の一つに
主人公にもスポットライトを当てるというのがあったわけですが
今回はそれも無く非常に残念。
物語の根幹である羊飼いの存在も
物語を展開させるための舞台装置、
デウスエクスマキナになってしまったのも不満です。
数多く用意されていながら、
いまいち本編で出番の無かった私服も相変わらず出ませんでしたし。
FDならこんなもんじゃないという意見もありますが、
同じ数の正ヒロインが登場する夜明けなMCと比べても
明らかに見劣りしてしまい、残念でした。
説明で必要そうな背景や立ち絵も新たに用意されているものがほとんど無く、
演出ばかり凝ってて肝心な部分が疎かになってしまい、
作品の味が伝わってこなかったというのが全体への印象です。
では個別にルートを見てきますが、
評価の方ですが、新たに用意した話はNOで
前から用意していたところはOKというのがなんだかなーと。
まずは白崎ルートですが、まぁーこれが酷いこと酷いこと。
ぶっちゃっけこのルートの出来が今作の出来を反映している感じです。
どう見ても多岐川ルートです。本当にありがとうございました。
なんでわざわざ他に多岐川ルートを用意してるってのに
こんな展開にしたのか本当に首を傾げてしまいました。
まぁ100歩譲って、多岐川がなじめるかどうかという話を
描きたかったにしても、白崎ルートと銘打ってる以上
ちゃんと白崎に焦点を当ててよ。
何で終始筧さん凄い!ってなってるのさ。
白崎ルートなんだから白崎の凄さとかを感じさせなきゃいけないのに
このオマケ的な扱いはなんなんだろう。
ここで会長としての魅力を見せられなかった時点で
あのHシーンは完全滑ったなーと。
……というかなんでこの子だけTRUEENDからなわけ?
他のヒロインはノーマルENDからの続きなんだから
この子もそうしてあげようよ。
さよりが登場したことで見える新たな白崎つぐみの一面を
期待していたのに、あのおまけで終わりですか……
これ独立させた方が良かったんじゃないかなー?
MCみたいに全部プレイした後に出てくる的な感じで。
そうすれば筧の話も出来たわけですし。
おまけでちょっと触れてお終いとか……
せっかく過去の呪縛から解き放たれたんだから
未来に向かって歩き出す姿を描いて欲しかったです。
で、次に桜庭ルートですが
これは比較的良好。
まぁ、これは前作で放置していた部分なので
滑ってたら逆に問題。
最後玉藻が完璧超人過ぎる気はありますが。
ただ、玉藻のお父さん、顔だけでもいいので
見たかったなー。
オズさん出したんだからやってよー。
御園ルート。
これもまぁいいかなー。
留学を今までのパターンから外してきたので
新鮮さを感じられたのが要因だと思います。
佳奈ルート
微妙。
なんだろ。お互い気を使いすぎて逆にギクシャクするという話を
やりたかったんでしょうけど、そのために羊飼いを使うってどうなのよ?
それで佳作をとったわけですが、そこでちょっと疑問に思ったり。
TRUEルートで多岐川にしたように、
失敗した方がより多くのことを学べるって言ってたのに
結局上手くいっててなんかしっくりこなかったり。
筧が佳奈の書くものを読みたいっていうのがきっかけで
良かったんじゃないかなー?
小太刀ルート
納得いくところと不満なところが混在。
前置きが長かったのでルート自体入りやすかったですし、
また忘れてしまった時間を取り戻しに行くってのもよかったですが
できれば父親とのわだかまりがなくなるところまで行って欲しかったです。
結局なげっぱなしになってしまい、残念。
とまぁ、ここまでが本編でのメインヒロインのお話でした。
次からサブヒロインのお話になるわけですが、
ぶっちゃっけこのサブヒロインを今回メインヒロイン的な扱いにしたせいで、
量が増えたのが作品を薄っぺらくしちゃった最大の原因かなと。
多岐川以外全員ばっさり切って
他はオマケで触れる程度のノリでよかったと思うのですが。
真帆ルート。
多分、今作で一番作られて無いルート。
途中、新しい設定がやたらと出てきて面食らいます。
それ嬉野さんルートで出てきた情報だよね
というのもありましたが、それはまぁいいかなと。
でも映画を観たってだけで終わらせないで。
せめてどういう映画を観たのかってくらいは触れてよ。
他のルートと違って筧君がやたら積極的にサポートに回ってるわけですが、
本編で道は違っても心は一緒!的なENDにしときながら
最終的に道も同じ!にするって……
いや、確かに海外に留学するってのはいいよ。
でもね、何でアメリカなわけ?
本編で分岐点ともなる某国の皇太子様がやってきたのは完全スルー?
せっかく出したんだから使おうよ。
まぁ、留学するってのも後付感満載ですが。
あのHシーンの唐突感は駄目でしょ。
というかこのルート、そもそも真帆と
生徒会室で結ばれてから1週間も経ってないという状況なわけで。
一体いつごろ留学するって決めてたんだろーなー。
もちろん説明はありませんでした。
料理ベタは読めてました。
あと、演出で1点だけ文句が。
シャワーシーン、
最初は顔を見せるのではなく足を見せるべきだったと思います。
芹沢ルート
声優と付き合ったらこんな感じかな(妄想)
というルートでした。
まぁ、今の声優は昔のアイドル的な扱いなのかなと。
……でも、筧君サポートに回るのはいいんだけど
変に演技の知識とかつけないほうがいいんじゃないかなー……
家でも仕事の話を、それも中途半端にされるときついんじゃ……
嬉野ルート
嬉野さんがちょっと頑張ってみるというお話でしたが、
これは良かったなと。
前作で放置していた真帆との関係が示されて良かったです。
あのラストもにんまりしました。
多岐川ルート。
ぶっちゃけ今回の目玉はこれだけで
よかったんじゃないかなー?
あと、多岐川さん視力が悪いんだったら眼鏡かけよう!
てか、多いなー生徒会室。
夏祭りのお話は良かったです。
最後におまけのしっぽデイズから。
おおむね良かったですが、
不満があるとしたらアプリオで佳奈と朔夜がどういう感じに
会話するのかが見れなかったのが残念でした。
あんな意味ありげに背景に登場させてたのに……
のぞみルートじゃアプリオで働いてはいないみたいだったので
そこら辺はやって欲しかったです。
以上こんな感じです。
消費税増税もありましたし、時間がなかったのかもしれませんが
ちょっとこれはなー……
今回気になるのは果たしてこれをオーガストさんがプレイして
楽しめるのか?って事でした。
何と言うか、この状況で次回作の情報が出てくると、
次回作のために大図書館の羊飼いを無理やり終わらせた感じがして
少し寂しい思いがしました。
次回作では設定は盛りまくるけど
説明が疎か……にならないということだけを祈ります。
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